初めまして。私は令和3年(2021年)の『宅地建物取引士(通称:宅建士)』の国家試験に1年で合格した「ごう」と申します。
もしこれから宅建士の国家試験に挑戦しようと思っている方に、少しでも役立つ情報をお知らせできましたら、嬉しいです。以下、本記事を読んで分かることを5つ挙げましたので、順番に説明していきますね。
◆『宅地建物取引士(通称:宅建士)』の魅力とは?
◆利用した受験予備校は?
◆合格のための勉強方法は?
◆毎日の勉強時間は?
◆受験当日までの心構えと本試験中に心掛けた戦略とは?
について、記載していきますので、興味のある方は読み進めて頂けますと、幸いです。
Contents
『宅地建物取引士(通称:宅建士)』の魅力とは?
宅建士とは?
宅建士とは、宅地建物取引士の略称で、土地や建物などの不動産の売却や購入のための実務及び法律上の専門知識を持ってアドバイスできる「不動産取引の専門家」です。
宅建士の試験は年1回(例年10月の第3日曜日)に実施される、毎年20万人超が受験をする人気資格です。
一般の人にとって、不動産の購入は一生に一度あるかないかの買い物。購入のための金額は非常に高額で30年以上という長い期間の住宅ローンを利用して支払いをしていく人も多いのです。したがって、慎重にも慎重を重ねて、取引をしなければなりません。
しかし、一般の人で不動産取引についての専門知識や取引経験を持つ人は多くありません。
そのため、不動産取引の専門家として円滑に取引が行えるよう宅建士が業務を行っているのです。
特に、次に詳しく説明する「重要事項の説明・記名・押印」と「契約書の記名・押印」は宅建士しか行うことができない独占業務として法的に認められています。
また、宅地建物取引業者には事務所ごとに、従業員5人に1人以上の割合で宅建士を置くことも義務つけれられています。
専門知識を持った宅建士しか行うことができない独占業務
(1)重要事項の説明
買主や借主に、その物件がどのような設備を備えているのかなど、取引するか否かを決断するための情報が必要になります。
そこで、宅建業法(宅地建物取引業法)上、宅建業者(宅地建物取引業者)は、買主または借主に対して一定の重要事項を宅地建物取引士に説明させることにしているのです。
重要事項の説明をするには、まず、重要事項を記した書面を作成しなければなりません。
この書面を重要事項説明書面(35条書面)といいます。
この書面を買主等に渡し、書面を見せながら重要事項を説明するのです。
なぜ35条書面と呼ぶかというと、宅建業法の第35条にこの書面のことが書かれているからです。
(2)重要事項説明書面(35条書面)に記名・押印
書面を交付して行う重要事項の説明は、取引をするか否かを決断するための材料を与えることに目的があります。
ですから、重要事項の説明は、『契約が成立するまでの間に』行わなければなりません。
そして、宅地建物取引士はこの書面に記名・押印しなければなりません。
(3)契約書(37条書面)に記名・押印
「いくらで契約したか(売買代金)」や「物件がいつ引き渡されるのか(物件の引渡時期)」などは、契約を結んだ人にとって、重要な契約内容です。
このような重要な契約内容については、それを書面にして明確にしておかないと、契約後に「言った」「言わない」のトラブルになるおそれがあります。
そこで、トラブルを防止するため、宅建業者は、売買代金など一定の重要な契約内容を記した書面を契約の相手方などに交付しなければならないことになっています。
この書面が37条書面です。(代金や引渡時期が記載された契約書だと考えてください。)
そして、この37条書面は、成立した契約内容を書面にすることでトラブルを防止することを目的にしているので、重要事項説明書面とは異なり、『契約が成立したとき』に『遅滞なく』交付すればよいのです。
宅地建物取引士はこの書面に記名・押印しなければなりません。
35条書面同様、宅建業法の第37条に契約書のことが書かれているから37条書面と呼んでいます。
宅建士の魅力
毎年約20万人が受験するマンモス資格、”宅建士”。”宅建士”はなぜ、約20万人もの方が受験し、合格を目指す人気資格なのでしょうか。
宅建士の魅力をお伝えします!
魅力1:就職・転職に役立つ!
不動産業者は、事務所ごとに従業員5人1人以上の割合で専任の宅建士を設置することが義務つけられたり、独占業務が可能の資格で、不動産業界関連への就職や転職には大きなメリットとなります。
実際多くの不動産会社では社員に宅建士資格を取得させるため、月に数万円の宅建士手当をつけたり、社内講習を依頼し研修を行うぐらい、宅建士資格を必須にしてる不動産企業が多いです。
それ以外にも建築会社から、金融業界や一般企業からもニーズが高まってきているので、就職や転職に有利です。
魅力2:今後も需要は拡大する!社会から求められる宅建士
日々変わり行くマーケットの中で、宅建士に求められる役割が拡大しています。
居住目的だけでなく、投資目的でも不動産を購入する人は多く、都市圏を中心にマンションの購入価格が上がっています。
「不動産売買あるところに宅建士あり」ですので、専門知識を備えた宅建士が今後もますます必要になることでしょう。
現在は新型コロナウィルスの影響もあって、様々な業種が変革を迫られている時代です。
宅建士には今後も更に様々なニーズや課題に応えていく担い手として期待が高まっていくでしょう。
魅力3:活躍の幅を広げる宅建士
◆不動産業界~不動産・建設・ハウジング会社等
不動産の売買・交換・貸借の代理・仲介(媒介)などの業務では、当然宅建士の知識が必要不可欠です。
不動産取引で契約を締結する際の重要事項の説明などは、宅建士以外の人は行うことができないためです。
不動産業界に従事するには取得していて当然の資格でしょう
◆宅建業者~事務所ごとに、従業者5名に1名以上必要
不動産業者のなかでも宅建業者は、その事務所の従業者5名に1名以上の割合で専任の宅建士をおかなければならないので、宅建業を営むのに宅建士がどうしても必要なのです。
宅建業界へ就職・転職する際は取得していて当然の資格とも言えるかもしれません。
◆金融業界~銀行・保険・証券会社等
不動産を担保として融資する際、物件の評価をしなければなりません。
ここで宅建士の知識が活かされるわけです。
また、不動産の売買、担保融資の場でなくとも、法律・税金・その他の宅建士の知識は日常業務のなかで常に要求されています。
◆一般企業
「何で一般企業で?」とお考えの方もいらしゃるでしょう。
しかし、宅建士の知識が会社経営を左右すると言っても過言ではありません。
例えば、工場用地の取得や新規店舗計画の際、宅建士は鍵を握る人物となります。
また自社が所有している不動産の有効利用も企業活動の今後を決定づけるものとなります。
業界を問わず、宅建士は幅広く求められています。
◆日常生活でも安心
宅建士の知識は自分自身のアパートの貸し借りやマイホーム獲得などでも強力な力を発揮します。
例えば、「市街化調整区域」についてご存知でしょうか?
これはいわば「建物を建てられない土地」のことです。
新聞のチラシなどで郊外の格安の土地の販売が載っていることがありますが、市街化調整区域の土地であることが多いのです。
こういった知識は宅建士を学習していくうえで身に付くため、未然にトラブルを防ぐことができます。
◆他資格へのステップアップ
不動産鑑定士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、土地家屋調査士、行政書士、マンション管理士、管理業務主任者等、これらの資格の試験科目は宅建士試験と一部重なっていますので、宅建士で勉強した知識を活かすことができます。
魅力4:受験・合格しやすい試験
①正解を選ぶだけの試験です!
2時間で50問を、4つの選択肢から1つを選ぶマークシート試験です。限られた時間で作文したり、面接があったりする難関資格試験と違い、非常にシンプルで受験しやすい試験です。
②誰でも受験できます!
学歴・国籍・年齢などの受験資格は一切ありません。過去には、最年長は90歳、最年少は12歳で合格した方もいます。
③毎年はじめての受験で合格する方が多数います!
各受験予備校では37年間におよぶ過去に出題された問題のデータを蓄積し、その分析により出題される分野はほぼ特定できています。 したがって、各受験予備校の講座では、出題される分野を徹底して説明します。各受験予備校の講座を受講すれば、短期間で合格に大きく近づきます。
利用した受験予備校は?
短時間で合格するためには、やはり独学よりも、受験予備校や通信講座やオンライン講座を利用するのが好ましいと思います。
僕は、受験予備校への通学と、自宅でもオンライン講座を受講できる学習カリキュラムが可能なLECの「プレミアム合格フルコース(78回):約12万円」を受講しました。
LECを選んだ理由は、学習カリキュラムの際に使用する基本テキストが、市販されていて、本屋さんで立ち読みした時に、文字の大きさや色で大事な箇所がハイライトされていたり、視覚的な理解につながる図が多く用いられていたりして、非常に分かりやすいと一瞬で判断できたからです。
誤字脱字が無いのはもちろんのこと、最新の法改正にも対応していて、LECを信じて、あとは自分がどれだけ理解し、どれだけ沢山の問題演習をこなすことができれば、必ず1回で合格できると確信したからです。
加えて、受験予備校の良いところは、勉強の計画を自分で立てる必要がなく、体系的にまとめられた受験予備校が決めた学習内容に従って、あとは自分が講師の先生の授業に参加し、聞いて、読んで、テキストに線を引いて、インプットすると共に、インプットされた知識に対応した、問題を沢山、自分の頭で解くアウトプットを継続しさえすればよいのです。
私のように専業で受験勉強できない場合には、スキマ時間で、且つ、短期合格者を多数輩出している、STUDYingもお薦めです!
合格のための勉強方法は?
合格を勝ち取るための注意点としては、答えを導くためにどれだけ悩めるかが重要になってきます。
同じ問題集を1~2回ではなく、4~5回だけ繰り返し解くと問題を見て、反射的に覚えた答えを出して終わりにするのではなく、その答えに辿り着くまでにテキストのどの知識とどの知識を用いたかも自分で説明できるようにならなければ、本試験で正解を導くことはできません。
これは合格するための鉄則になるのですが、合格のためには、本試験で受験生の7割が正解する問題をいかに落とさず得点とするかが合否の分かれ目となります。
言い換えると、受験生の1割しか正解しない問題は捨て問とし、時間をかけずに、受験生の7割が得点とする問題に効率的に時間を費やせるかが合否の分かれ目となります。
そうなのです。私が受験した令和3年(2021年10月)の宅地建物取引士国家試験の合格率は17.9%(34点合格ライン)の激戦なのです。
教室にいる受験生の50人中9人しか合格しません。41人もの不合格者に入ってはいけないのです。本当に熾烈な受験戦争を勝ち抜かなければならないのです。
合格のための勉強方法としては、これは、科目別の勉強方法にもつながることですが、宅建士試験の主要4科目『宅建業法(宅地建物取引業法)』『権利関係(民法等)』『法令上の制限』『税・その他』はメリハリをつけて得点を稼がなければなりません。
宅建業法(宅地建物取引業法)
重要事項の説明(買主、借主が契約前に知っておくことについて)や37条書面(いわゆる契約書。契約書に記載すべきことについて)など、その名のとおり、宅建士になってからも必要となる内容です。
比較的得点しやすい科目なので、ここで点数を稼いでおきましょう。
20問中18点の得点は必須!!この分野は満点を狙ってもおかしくないです。引っ掛け問題に気付くことがポイントとなります。
権利関係(民法等)
民法(意思表示、代理、賃貸借、抵当権、相続など)や借地借家法(土地や建物を借りる人を保護する法律)、不動産登記法(不動産の登記に関する法律)などが出題されます。
苦手とする受験生も多いのですが、暗記に頼る学習は危険です。日常生活と深く関わってくる分野ですので、必要事項についての理解を中心とする学習を心がけましょう。
14問中8~10点は必須!!この分野は、受験予備校では、実は一番長く時間をさいていますが、得点に結びつきにくい奥が深い法律分野です。得意とする受験生と、苦手とする受験生が大きく分かれる法律分野です。
1ヶ月程度前の直前期には、他の法律分野と比べて、得点に結びつかない傾向があります。従って、早い段階で学習を開始し深い理解につなげ、暗記に頼らない法的思考力を養えるかどうかが勝負の分かれ目となると言えるでしょう。
法令上の制限
国土利用計画法(地価上昇の抑制と土地の合理的利用のため、届出等を定めたもの)、都市計画法(住み良い街づくりのため、 開発行為に対して定めたもの)、建築基準法(人の命や健康のため、建物の建築にあたって定めたもの)、農地法(食料確保のため、 農地売買や転用について定めたもの)などが出題されます。
この科目は、暗記ものが多いので過去問題集を繰り返し解いて、本試験までコツコツと知識を頭に入れていきましょう。
8問中5点は必須!!
税・その他
税金や土地・建物などから出題されます。
範囲が広いので、過去問題集から出題範囲を確認し、要点を押さえる学習が必要になります。
ただし、不動産業界に関する統計問題が毎年1問出題されますので、過去問題集に加え、最新の統計問題が入手できる教材を選ぶとよいでしょう。
8問中5点は必須!!
上述したように、私が受験した令和3年(2021年10月)の宅地建物取引士国家試験の合格率は17.9%(34点合格ライン)でしたが、私の得点は、37点(宅:17点、権利:10点、制限:6点、税:4点)で幸運にも3点ほど余裕がありました。
毎日の勉強時間は?
正直申し上げますと、私は、受験専業の生活であり、週2回の講義のある日、即ち、月曜日の夜7時~夜9時半まで、及び、金曜日の夜7時~夜9時半までの週2日は、自己学習時間は、4時間/日でした。残りの火曜、水曜、木曜、日曜は、6時間/日でした。土曜日は一日休暇を取りました。
客観的に考えると、私は、合格するまでに約1200時間程度かけていることになります。
一般的な受験生は、社会人であり、隙間時間を勉強時間に当てて約300時間で合格している人が平均的な受験生ではないでしょうか。
私は、平均的な受験生の約4倍の時間を掛けて合格しているので、受験回数1回で合格するのはいわば当たり前であると思われます。これで落ちていたらと考えると恐ろしくなります。次に、受験当日までの心構えをお伝え致します。
受験当日までの心構えと本試験で心掛けた戦略とは?
実は、私は、大半の受験生が受けるであろう、受験予備校が9月下旬に実施する最後の『ファイナル模試』で、時間不足になり、パニックな状態になり、実際に、不合格判定をもらい、その反動で、自暴自棄になってしまい、から揚げとラーメンを一緒に食べたのでした。
その結果、お腹を壊してしまい、腸が全く動かない状態で痛くて痛くてたまらず、ファイナル模試の1~2日後に病院へ行き、点滴を打ってもらったのです。
そして、全ての受験生がラストスパートを掛ける一番大事な10月初旬のまる1週間を安静に生活するため勉強をお休みしてしまったのです。
この時は、2か月後の12月受験にすべきだった12月受験生を羨ましがりました。
しかし、今までコツコツ積み重ねた日々を思い出し、10月第3日曜日の本試験日の2週間前から、新しいことには手をつけず、今まで解いた過去問と複数回受けた模擬試験をもう一度解くことに集中して、体調管理にだけは気を付けて平常心を保つように本試験まで慎重に日々過ごしました。
1週間前には、試験会場の下見をして、本試験日の午前中に最後の学習の見直しができる喫茶店の場所まで確認しました。
本試験の直前に1週間休んだことで逆に開き直り『本試験で今までの努力を素直に謙虚に発揮できればいいんだ。自分の実力以上でもなければ自分の実力以下でもない、ありのままの自分で50回(マークシートをシャーペンで)黒く塗りつぶしてくればいいんだ』との心境になり、本試験を迎えました。
12時50分頃にスニッカーズを半分かじり脳へ栄養を補給して、13時に本試験が開始されました。『宅建業法』、『法令上の制限』、『税、その他』、『権利関係』の順番で解答していきました。
本試験1問1問解いていく上で心掛けた戦略とは、もし4つの選択肢のうち1つ目又は2つ目の選択肢で、解答に辿り着いたら、残りの選択肢を吟味することなく、次の問題に進むと決めていました。
時計を気にすることなく、自分のペースで、答えが見つかり次第、すぐ先へ進む方針でどんどん解答していきました。
2時間の終了時間のなんと8分前には50問全ての解答を完了することが出来ました。
『権利関係』で1問だけ気になっていた問題の選択肢をよく読んで1番から2番へと黒く塗りつぶし直すという見直しを1回だけ行い時間は終了しました(この変更は後日、正しかったと分かりました)。
「終了!」の合図で全て終わりました。丁寧に頭を下げて、試験官にマークシートを渡し、私の約1年のチャレンジと努力は全て終わりました。
家に帰って、受験予備校LECへの自分の解答の入力だけして、予想解答速報は見ずに、2021年12月1日の合格発表をインターネットで確認するまで約1ヶ月半の間、ボーっと図書館で新聞を見たり、就職活動の情報や不動産鑑定士の情報や宅建登録実務講習の情報を集めたりして過ごしました。
2021年12月1日に合格をインターネットで確認し、スマホで合格した受験番号を写真を撮って、両親、親族に送りました。
宅建士合格という本当のところは小さな成功であるにも関わらず、実際に合格できたことは、私の自尊心を高め、その後の人生の大きな自信につながったことは確かです。
もし皆さんも宅建士の合格を目指されて日々勉強されていらっしゃいましたら、私の奮闘記が少しでも役立てることができましたら幸いでございます。
最後まで稚拙な文章を読んで頂きまして有難うございました。
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